第4章 ナマズ類とエンゼルの混泳

ナマズの仲間は非常に広い範囲で分布する魚の1つで日本を含め、ほぼ全ての大陸に分布する巨大なグループです。大きさも極小クラスでは2cmほどの魚もいれば最大級では3mを越えるような種類まで多種多様です。

エンゼルとの混泳については基本的にナマズの仲間は水底を中心に生活する種類が多く、気の荒い種類も少なからず存在しますが、エンゼルとサイズを合わせる事で混泳可能な種類も非常に多い仲間です。このページでは混泳に最適な種類とその他のサイズ別にてエンゼルとの混泳について解説を行ないます。

コリドラスとエンゼルの混泳

コリドラスの仲間はエンゼルフイッシュと同様、非常に古くから熱帯魚として親しまれているナマズの1つです。 昔は水槽の「お掃除屋さん」として飼育される事が多く、それほど多くの種類が輸入されていませんでしたが、現在では毎年幾つもの新しいコリドラスが発見されたり日本未輸入の種類が入ってくるなど、コレクション性も高く、専門に飼育するアクアリストも多く存在します。

エンゼルとの混泳については基本的にお互いをあまり意識する事も無いのでほぼすべての種類において混泳は可能です。混泳のポイントとしては極小サイズのCo.ピグマエウスのような種類はされる必要があることに加え、コリドラスは高温に弱い種類が多く、混泳を行なう場合は水温を28度以下で行なうのが好ましいと言えます。

またエンゼルは非常に大食漢な魚ですがコリドラスもまた外見よりも大食漢であり、掃除屋さんとして飼育していると痩せてしまう事が多いので餌は回数よりも一度の量を多めに与え、コリドラスもエサをゆっくり食べられるように工夫するのが良いでしょう。

オトシンクルス類・小型プレコ類とエンゼルの混泳

水槽に発生するコケを食べてくれるオトシンクルスやプレコの仲間はエンゼルに限らず熱帯魚を飼育する水槽では欠かせない存在のひとつと言えるでしょう。オトシンクルスについては最も一般的なオトシンクルスやオトシンクルス・ネグロが一般的でエンゼルはどちらも混泳可能ですが、どちらかというとネグロはやや小型なので普通のオトシンクルスが良いと言えます。 また近縁種としてパロトキンクルスやジャイアントオトシンなどもおり、何れも混泳には大きな問題はありません。注意点としては特に大きなエンゼルを飼育している水槽へ後からオトシンクルスを追加する場合、エンゼルが餌と勘違いして突き殺すケースがあるので注意が必要な場合もあります。

プレコの仲間については細小で5cmほどの種類から最大では1mを越えるような種類まで様々です。ショップで売られているプレコの仲間については基本的にすべて幼魚であり、見ただけではどの位まで成長するのかわからないものも多いでしょう。 エンゼルとの混泳に適したプレコは全長15cm未満の小型プレコでコケ掃除を目的とする場合は「ブッシープレコ」と呼ばれるアンキストルス属のプレコが最適と言えるでしょう。

他にもタイガープレコを代表にペコルティア系のプレコも小型で美しい種類が多く、エンゼルとの混泳もさほど問題はありませんが、美しい模様のプレコの多くは生息域が川の流れが速い場所に多く、水槽内でも水流が強く溶存酸素量が多い飼育が好ましいのでエンゼルと混泳させる場合は特に強い水流を嫌うベールテール品種は避け、上部式フィルターなどのある程度の水流があるような環境で飼育するのが好ましいと言えます。

南米産 小型・中型ナマズとエンゼルの混泳

上記で取り上げたコリドラスやプレコ以外の小型・中型ナマズについては主にピクタスに代表されるピメロドゥスの仲間、ヨロイナマズと呼ばれるカリクティス類やポートホールキャットやドラスの仲間、またウッドキャットを代表とするタティアの仲間やバンジョーキャットなど非常に幅広い種類が生息しています。

ピメロドゥスの仲間はやや大型になる種類が多く、15cmほどの種類であればエンゼルとの混泳も可能な範囲ですが、やや気が荒い種類ありまた活発に水槽内を泳ぎ回る習性が強いのでエンゼルにとってはややうるさい存在と言えるでしょう。また混泳可能とは言え、エンゼルに全く危害を加えないとは言い切れない種類も多く、混泳される上では少々コツがいる仲間と言えます。

コリドラスを大きくしたようなポートホールキャットやカリクティス、ドラス類は非常に温和な魚ばかりでエンゼルとの混泳可能な魚も多くあります。ポートホールキャットについては昼行性が強いナマズですが、カリクティスの仲間やドラスの仲間は夜行性が強くエンゼルに危害を加えるような魚ではありませんが、あまり沢山混泳させるとエンゼルが安眠できないので数は制限するべきと言えます。

ドラス類のサイズについては大きな種類ではメガロドラスやオキシドラス、バクーペドラなど、80cm以上に成長する種類もいますがそれでも積極的にエンゼルを襲うことは無いので混泳する気があれば全く出来ないとは言えないほど温和な魚達と言えるでしょう。

最後にウッドキャットなどのタティア類とバンジョーキャットについては基本的にほぼ全ての種類がエンゼルとの混泳は可能です。タティアやバンジョーキャットの仲間もドラス類と良く似た性格で温和な夜行性ナマズが多く、タティアの仲間の多くは消灯後の暗闇を活発に泳ぐのでエンゼルにとってはうるさい存在ではありますが慣れてしまえば大きな問題でも無いので混泳自体は可能です。

バンジョーキャットについては昼間は全く動かないようなナマズでエンゼルの同じ水槽で飼育しても無視するだけなので問題は無いのですが、問題はバンジョーキャットの餌にあり、夜行性の為に昼間は慣れないと食べないのでエンゼルとは別に消灯後に餌を与えるなどの工夫が飼育する上でのポイントとなります。

東南アジア産 小型・中型ナマズとエンゼルの混泳

東南アジア産の小型・中型ナマズは南米産のナマズとは種類がやや異なり、キギの仲間やグラスキャットの仲間が代表的です。 あまり人気の無い仲間なのでショップで見かける機械も少なくなりましたが、温和な種類も多くツースポットミストゥスなどはエンゼルとの混泳に適したナマズの1つです。トランスルーセント・グラスキャットを体表としたグループも何種類かの魚が輸入されていますがグラスキャット以外はあまり見かける事が少ない魚といえるでしょう。

グラスキャットの仲間も温和な種類が多く、群れを作り生活するのでグラスキャットであれば10~20尾ほどをエンゼルと混泳されると良いでしょう。またカイヤンなどに代表されるパンガシウスの仲間は非常に大型になるものが多く、エンゼルとの混泳については考えないほうが無難です。
 

アフリカ産 小型・中型ナマズとエンゼルの混泳

アフリカ産のナマズの多くはシノドンティスの仲間が大半を占めます。最も有名なシノドンティスはサカサナマズで逆さで泳ぐ姿から古くから知られ親しまれています。サカサナマズについては10cm未満の小型種でおとなしい魚なのでエンゼルとの混泳は問題ありませんが、多くのシノドンティスはやや大きくなり、湖産のシノドンティスは水質的にエンゼルとは悪く、コンゴ川などの川産については水質的な問題はありませんが、気の荒い種類も少なく無いのであまり混泳に適した魚とは言えません。

大型ナマズ・大型プレコとエンゼルの混泳

最後に大型のナマズについては代表的な種類としては南米原産のレッドテール・キャットやタイガーシャベル、東南アジア原産のパールムなどが良くショップで見られると思います。これらのナマズは10cm未満の子供で販売されていますが最終的には1mを越えるサイズまで成長するので飼育にはよほどの覚悟が無いと出来ません。エンゼルとの混泳については口に入る魚は当然のように食べてしまうので論外と言えるでしょう。

また、大型プレコ類は最も一般的に販売されているプレコと言えばセルフィンプレコとサッカープレコですが、下記の大型ナマズ・大型プレコのセルフィンプレコは最大50cm以上、サッカープレコも最大30cm以上に成長する上、エンゼルを襲う危険性が高いので混泳出来ないわけではありませんが、お勧めできるものではありません。同様にガリバープレコやアグアプレコなどは非常に大きくなりますし、トリムプレコの仲間やロイヤルプレコなどは美しい種類も多いですが、エンゼルに危害を加える事があるのでエンゼルを中心とした飼育を行うのであれば混泳させないほうが良い魚たちと言えます。

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