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第8章 エンゼルにおける改良品種の基本パターン

この章で紹介するテーマは、エンゼルフィッシュの品種の名前のパターンについて掲載をしたいと思います。エンゼルは様々な品種が存在し、それらを組み合わせることにより遺伝子的な品種パターンは実に120パターン以上にも及びます。このサイトには改良品種カタログがありますので、宜しければ参考になさってください。

一般的に販売されている改良品種はせいぜい5品種程度と考えればいかに一般的なルートで販売がされていない所謂、「レア品種」が多く存在しているかがご理解頂けるかと思います。このページでは品種の組み合わせにより名前の変わるエンゼルなどの基本パターンをご紹介します。エンゼルフィッシュの名前はある程度は自由に呼ばれていますが、当店では基本的に昔から最も多用されている定義を標準として利用します。これは私が長年にわたって改良品種の遺伝子パターンをを研究した上での結果に基くものです。

エンゼルフィッシュのベース品種について

エンゼルの改良品種については、数多くの改良品種が存在している中でそのベースとなる品種が存在しています。このベースとなる改良品種同士の交配により両方の遺伝子を持った子供が誕生して新しい品種となります。

エンゼルフィッシュの品種は遺伝の観点から私自身は「独立表現型品種」と「複合表現型品種」の主に2つに分類され、まずは「独立表現型品種」の定義についてご紹介します。

あらゆる品種のベースとなる「独立表現型品種」

この種類は名前の通りですが、別品種同士を交配しても決して混ざり合わない「独立した」表現型の品種を表しています。簡単に説明をしますと「並エンゼル」と「ゴールデンエンゼル」を交配した場合のように子供は、必ずどちらかの品種として誕生する品種の定義を「独立表現型品種」としています。全てを完璧に調査したわけではありませんが主な独立表現型の品種は下記のようになります。

主な独立表現型の品種
ノーマル系統ゴールデン系統レース系統
ブラック系統ゼブラ系統レオパード系統
ハーフブラック系統ブルー系統プラチナ系統

この中で特殊なケースとして、レース系統、ブラック系統、ブルー系統はゴールデン系統・プラチナ系統に対しては無効化されますが、ノーマル系統とゼブラ系統には複合型として作用します。このベースとなる独立型品種に下記で紹介する「複合表現型品種」を加えることにより様々な品種が誕生する事となります。

組み合わせにより様々な品種を作れる「複合表現型品種」

複合表現型品種の定義は「独立表現型とは異なり複数の遺伝を同時に表現できる品種」です。この品種は通常、上記の独立表現型品種の名前に複合表現型品種の名前を加えられる形で呼ばれます。一般的な名前としては「○○ベールテールエンゼル」や「××ダイヤモンドエンゼル」名前が一般的でしょう。主な複合表現型品種は以下のような品種があります。

主な複合表現型の品種
アルビノ系統ベールテール系統ブラッシング系統
ダイヤモンド系統マーブル系統 

エンゼルフィッシュの品種は基本的に独立表現型品種+複合表現型品種の組み合わせで作られます。私が製作した「ブラックブラッシングダイヤモンドエンゼル」は遺伝子的に品種を分解するとベースなる「ブラックエンゼル」に複合表現型品種の「ブラッシング」と「ダイヤモンド」を加えた品種です。

 また、品種の組み合わせによっては名前が変わる品種も存在します。 詳しくは次の機会に書きたいと思いますが同じく私が製作した「アルビノトリカラーダイヤモンドエンゼル」はベースとなっている独立表現型品種「ゴールデンエンゼル」に「マーブル」・「アルビノ」・「ブラッシング」・「ダイヤモンド」の4つの複合表現型品種を加えたもので、品種改良の中でも最も難易度の高い複数品種の多重の複合表現を行ったエンゼルの品種です。

このようにエンゼルは品種は非常に奥が深いものです。改良品種の基礎となる品種についてご紹介しましたが次回は独立表現型品種+複合表現型の組み合わせで名前が変わる品種やネーミングの定義について掲載をしたいと思います。

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プロの語る 飼育繁殖 思案 コンテンツ一覧

第1章 レッドトップエンゼルと色揚げ処理
第2章 エンゼルの繁殖と商品としてのエンゼル
第3章 エンゼルの病気に魚病薬が効かなくなる? 薬の利用と耐性菌の存在
第4章 観賞用として作り出された様々な品種と奇形の関係
第5章 避けては通れない繁殖における選別と淘汰
第6章 最高プロポーションとは何か? 品質を求めた選別と淘汰
第7章 名前ばかりが先行する幻のブルーエンゼル
第8章 エンゼルにおける改良品種の基本パターン
第9章 組み合わせによって変化する品種の名前
第10章 純血種と雑種、改良に必要不可欠な純血種の存在
第11章 ハーフブラックエンゼルは特異な遺伝子
第12章 ラムナン硫酸が熱帯魚の脂肪肝を予防する
第13章 繁殖させた魚の処分方法


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大塚慎太郎
この記事を書いた人
オオツカ熱帯魚 店主
飼育歴40年 繁殖歴35年 プロブリーダー歴27年
専門分野エンゼルフィッシュ、ラミレジィ、アピストグラマ、その他熱帯魚類の繁殖全般

熱帯魚繁殖大鑑(緑書房)の著者であり、熱帯魚の繁殖研究で世界的に名を知られる東熱帯魚研究所 東博司氏の元で師事、長年に渡り飼育・繁殖の技術を学び独立。様々な魚種の飼育・繁殖、生態学など豊富な知識を生かしてプロブリーダーとして良質な熱帯魚類の繁殖・販売を行う。

  • アクアライフ(エムピージェイ出版)のエンゼルフィッシュ特集協力
  • 楽しい熱帯魚(白夜書房出版)のエンゼルフィッシュ・ラミレジィの特集協力
  • プレコニアの繁殖記事、熱帯魚・水草図鑑(ピーシーズ出版)への写真提供
  • Weblio辞書協力(熱帯魚写真館)
  • All About Japan 熱帯魚オンライン図鑑 写真提供
  • TV番組や出版物への取材・写真提供の協力など
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