第8章 エンゼルと相性の良い魚達

このページは前章 エンゼルと相性の良い魚達とは逆にエンゼルフィッシュと相性の良い熱帯魚を紹介します。相性の良い魚の条件はエンゼルフィッシュに危害を加えない事は大前提ですが、エンゼルフィッシュのストレスになるような活発な動きの魚も避けた方が良いでしょう。また、夜行性の魚も少数であれば特に問題はありませんが、大量にいるとエンゼルフィッシュが「眠れぬ日々」を過ごす事になりますから注意が必要です。

残った餌を処分してくれる便利な水槽の掃除屋さん「コリドラス」の仲間

単にコリドラスと言っても非常に種類が多く、コリドラス専門のコレクターも多数存在しています。エンゼルフィッシュの同居魚として飼育する場合、安価で購入可能な養殖されている個体や流通量の多い丈夫なコリドラスをお勧めです。コリドラスそのものはエンゼルフィッシュに対して一切の危害を加えませんし、エンゼルフィッシュも産卵中以外は全く相手にしませんのでお互いに平和に共存できます。

コリドラスの初心者の場合は餌を与えすぎる場合も多いので、餌が腐って水を悪化させない為にも同居させる事をお勧めします。高水温に弱い種類も多いコリドラスですが、養殖されている種類の多くは問題ない場合も多く、安価なコリドラスについては特に気にする事はありません。

コリドラスは大抵の場合は群れを作って生活をしている為、出来れば最低5尾以上を飼育すると調子が良くなります。水槽の大きさや与える餌の量、混泳のバランスなどを考えて好みで混泳させるのが望ましい魚たちです。

コリドラス・コロンビアエヴェリナエ

コリドラスの仲間は高温に弱い種類が多く、エンゼルと混泳させる場合は水温に注意を配ることも大切なポイントとなります。

コケの掃除の手間を省いてくれるプレコの仲間

エンゼルフィッシュに限らず、熱帯魚を飼育していると大抵の場合は水槽に生える茶色い「コケ」に悩まされます。プレコの仲間は走触性の強い種類はこのコケを好んで食べる熱帯魚です。その為、これらを水槽に入れておくと水槽面をキレイに掃除してくれる便利な仲間です。このプレコも非常に多くの種類がおり、小さなものは5cm程度で親になるものから、最大では1mを越えるような巨大なプレコも存在します。

前章「エンゼルフィッシュと相性の悪い魚達」で紹介しましたが、最も安価な「サッカープレコ」と「セルフィンプレコ」は最低でも30cmを越える仲間なのでエンゼルフィッシュと飼育するのは出来れば避けておいたほうが賢明です。

著者はブリーダーとして大量のエンゼルを育成する際にコケ対策にこれらのを利用する事もありますが、これは長年の経験からどのような場合にエンゼルフィッシュに危害が及ぶのかを理解して混泳を行っておりますので、魚の性質を良く知らない場合はやはりお勧めは出来ません。 お勧めできるプレコは親になっても体長10cm程度の「小型プレコ」の仲間で温和な種類をお勧めします。

また模様の美しい種類、美しい小型プレコの代表と言える「インペリアルゼブラプレコ」などは珪藻はほとんど食べることがない為、コケ掃除の目的としては役に立たないので注意が必要です。 混泳自体は問題ありませんし、目的を間違えなければ、小型プレコの仲間はエンゼルフィッシュとの混泳は難しいものではありません。

丈夫で飼いやすい卵胎生メダカの仲間

グッピーやプラティなどの「卵胎生」と呼ばれるメダカの仲間もエンゼルフィッシュと一緒に飼育する事が出来ます。グッピーの場合はオスの尾ビレをエンゼルフィッシュが間違えて噛る場合が稀にありますが、全く同じ水槽で飼育できない訳ではありません。グッピーとの混泳はあまりお勧めは出来ませんので、なるべくなら控えた方が賢明です。

 混泳に適した卵胎生メダカではプラティ(ムーンフィッシュ)やソードテールの仲間は色のキレイな種類が多く、初心者でも飼いやすいのでお勧めできます。 サイズもエンゼルフィッシュとの混泳に向いた大きさで色鮮やかな種類も多く、水槽の彩りとしては良い混泳相手と言えるでしょう。

イエローサンセットプラティ

プラティは多くの品種改良をされ、色彩豊かで性格も温和、水槽の彩りを良くしてくれるエンゼルとの相性も良い熱帯魚です。ただ、安価で雑な扱いをされる事も多いため、尾ぐされ病などの病気をエンゼルたちの水槽に持ち込まないように注意しましょう。

原産地は違っても相性は良いグラミーの仲間

初心者向けの代表的な熱帯魚の1種「グラミー」もエンゼルフィッシュと相性の良い魚です。水槽内で多少の小競り合いをする場合もありますが、基本的には混泳可能な種類が多いと言えるでしょう。小型種~中型種の多くは問題ありませんが、注意が必要な種類もあります。

混泳に注意が必要な種類としては、その独特のロでエンゼルに危害を加える可能性のある「キッシンググラミー」、また大型種の50cm以上に成長する「オスフロネームスグラミー」や逆に極小サイズの体長3cm程度の「ピグミーグラミー」や「リコリスグラミー」はエンゼルフィッシュとの混泳は避けた方が無難です。

ドワーフグラミーパールグラミーなどはサイズも手頃で安価な美しい熱帯魚の為、混泳にも良いエンゼルの混泳相手としてお勧めできるグラミーの仲間です。

同じ南米原産の小型カラシンの仲間

コリドラス同様、エンゼルフィッシュと同じ南米原産カラシンの仲間も相性の良い熱帯魚です。但し、エンゼルフィッシュの口に入ってしまうようなサイズでは、食べられてしまう恐れがあるので混泳サイズには注意が必要になります。基本的には体長3.5cm~6cm程度のサイズまでしか成長しないカラシンが好ましいと考えておきましょう。

カージナルテトラ

カージナルテトラはネオンテトラよりも一回り大きく成長するため、エンゼルとの混泳に適しています。鮮やかな色彩で水槽を彩る事が出来るので人気の高いカラシンです。

また、小型カラシンでも「サーペ(キャリスタス・キャリスタス)」や「ブルーテトラ」のように小型でも気が荒い性質な種類も存在しています。 これらの種類はエンゼルフィッシュのヒレを噛ったりする場合があるので、混泳させる場合は注意が必要です。

エンゼルフィッシュと同じシクリッドの仲間

主に「アピストグラマ」と呼ばれている全長10cm以下の小型のシクリッドの仲間や「ペルヴィカクロミス」の仲間も、エンゼルフィッシュとそれほど相性の悪くない魚です。ただ、アピストグラマやペルヴィカクロミスは水質の悪化に弱い面がありますから、エンゼルフィッシュのような大食漢の魚の一緒に飼う場合は濾過を充分に行う事がポイントになります。

他にも「エキデンス」の仲間や「ナンナカラ」の仲間など、一緒に飼育可能な小型シクリッドは比較的多く存在します。基本的にはエンゼルフィッシュよりも小型のシクリッドであれば問題ありませんが、同サイズクラスになるとエンゼルの方が力負けしてしまう場合が多くなり、小型シクリッドよりも混泳には高い技術と知識が必要です。

意外に便利なドジョウの仲間

意外にマイナーなジャンルな熱帯魚でありますが、熱帯産のドジョウの仲間もエンゼルフィッシュと相性は悪くない種類が比較的、存在します。最も良く知られている「クラウンローチ」はやや大型化するので、広い水槽以外ではお勧めできませんが、「クーリーローチ」の仲間はコリドラス同様に食べ残した残飯処理にも都合の良い熱帯魚です。実は日本のドジョウもエンゼルフィッシュと一緒に飼育可能な魚で意外に便利な存在と言えるでしょう。

但し、ボティアと呼ばれるクラウンローチを代表としたアユモドキのグループは気の強い種類が多く、小型の種類であってもエンゼルフィッシュとの混泳に不適切な種類も少なくありません。 スカンクボティアのように、小型のローチ類でも非常に気が強い場合もあるので、混泳させる予定がある場合はその魚の性格を事前に調べておきましょう。

その他の魚との混泳について

熱帯魚には非常に多くの種類が存在し、その性格も大きさも様々です。同じ水槽では飼育が無理と言われているような魚でも、例外的に何も問題なく飼育できる場合もあります。水槽のサイズによっても一緒に飼育できる魚は異なりますし、雑誌などに「無理」と書かれていても環境によっては平気な場合も多いので、一概にこれは可能・これは無理・・・と断言する事が難しく、それもまた生き物の飼育の面白さです。

あくまで自己責任の元にですが、普通はあまり行わないような混泳にチャレンジしても面白いと思います。ちなみに著者の水槽の一つでは肉食性の古代魚「ポリプテルス・セネガルス」とエンゼルフィッシュが仲良く同居している水槽もありました。より詳しい混泳の情報は別の混泳マニュアルでご紹介します。

飼育マニュアル コンテンツ一覧

第1章 エンゼルフィッシュってどんな魚?
第2章 失敗しないエンゼルフィッシュの購入ポイント
第3章 エンゼルの飼育に最適な水槽サイズと飼育可能なサイズや数
第4章 エンゼルの飼育に最適な濾過装置とは?
第5章 エンゼルにとって最適な餌はどんな餌?
第6章 飼育可能な範囲と最適な水質・水温
第7章 エンゼルと相性の悪い魚達
第8章 エンゼルと相性の良い魚達
第9章 品種によって異なる飼育の難易度
第10章 エンゼルの寿命と繁殖可能な年齢
第11章 輸入エンゼルとエンゼル病
第12章 病気とその対処方法
第13章 エンゼル水槽のレイアウト



エンゼルフィッシュ.jp > 飼育マニュアル > 第8章 エンゼルと相性の良い魚達